「在」


「ボク、透明人間になったんだ」


君の嬉しそうな声が聴こえて
だけど僕にはその姿を見せてはくれなくて


“いったい何処にいるんだよ”って聞いたら
“確かに此処にいるじゃないか”って少し不安な声が返ってきて


だけどやっぱり僕にはその姿が見えなくて
それでも君の必死に肯定する声は耳に届いて


「心を透明にしたら見えるんだ」


だけど そんなことをしたら
世界の汚さが全部視えてしまうではないか



***
やっと見えた君の顔には、真っ黒な僕にとって少し眩し過ぎる雫が零れてた。



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